「鈴木重秀（孫一）」戦国武将HEROES

鈴木重秀（鈴木孫一）は紀伊国の国人。雑賀衆の有力者である。
雑賀衆とは紀伊国北西部の一揆集団が、非常に多い数の鉄砲を保有した軍事力がきわめて高い鉄砲傭兵集団で、「雑賀衆を味方にすれば合戦には必ず勝ち、敵に回すと敗れる」という言葉が当時の大名に信じられ怖れられていた。
その雑賀衆の代名詞といわれているのが「雑賀孫一（孫市）」である。雑賀孫一は雑賀衆の棟梁や有力者が代々継承する名前とされている。いわば雑賀孫一はひとりではないという謎多き伝説的人物なのである。
鈴木重秀公は雑賀孫一の経歴を構成する一人といわれている。目覚ましい活躍を見せた石山合戦では多くの雑賀衆をひきい、本願寺派として織田信長と戦いおおいに苦しめた。重秀公は下間頼廉と並び大坂之左右之大将と讃えられる程の戦功を見せる。
本願寺と友好的であった雑賀衆はその後も織田軍や雑賀集の内部勢力と戦い続ける。一時敗退した本願寺顕如を逃がすなどその後もかばい続けた。しかしその雑賀衆も織田派と反織田派の対立がおこり内部分裂してしまう。
信長の死後、雑賀衆は小牧・長久手の戦いで根来衆と組み秀吉の背後を脅かす働きを見せる。しかし鈴木重秀公は、そんな中羽柴秀吉側として戦いに参加しているのである。
雑賀衆はこの後壊滅し歴史から姿を消す。しかし重秀公のように鉄砲の技術をもって大名に仕えたり、帰農したりと各地に散らばっていったのである。